4.5 ファイルのアップロード処理

ユーザによるファイルのアップロードを処理したいとします。例えば、現在Instagramのようなホームページを作成しているとします。ユーザが撮影した写真を保存する必要があります。このような要求はどのように実現するのでしょうか?

フォームにファイルをアップロードさせるためには、まずformのenctype属性を追加する必要があります。enctype属性には以下の3つの種類があります:

application/x-www-form-urlencoded   送信前にすべての文字列をエンコードする(デフォルト)
multipart/form-data      文字列に対してエンコードしません。ファイルのアップロードウィジェットを含むフォームを使用するときはこの値が必要です。
text/plain      空白を"+"記号に置き換えます。ただし、特殊文字に対してエンコードは行われません。

そのため、フォームのhtmlコードはこのようになります:

<html>
<head>
    <title>ファイルアップロード</title>
</head>
<body>
<form enctype="multipart/form-data" action="http://127.0.0.1:9090/upload" method="post">
  <input type="file" name="uploadfile" />
  <input type="hidden" name="token" value="{{.}}"/>
  <input type="submit" value="upload" />
</form>
</body>
</html>

サーバでは、handlerFuncをひとつ追加します:

http.HandleFunc("/upload", upload)

// /uploadを処理するロジック
func upload(w http.ResponseWriter, r *http.Request) {
    fmt.Println("method:", r.Method) //リクエストを受け取るメソッド
    if r.Method == "GET" {
        crutime := time.Now().Unix()
        h := md5.New()
        io.WriteString(h, strconv.FormatInt(crutime, 10))
        token := fmt.Sprintf("%x", h.Sum(nil))

        t, _ := template.ParseFiles("upload.gtpl")
        t.Execute(w, token)
    } else {
        r.ParseMultipartForm(32 << 20)
        file, handler, err := r.FormFile("uploadfile")
        if err != nil {
            fmt.Println(err)
            return
        }
        defer file.Close()
        fmt.Fprintf(w, "%v", handler.Header)
        f, err := os.OpenFile("./test/"+handler.Filename, os.O_WRONLY|os.O_CREATE, 0666)
        if err != nil {
            fmt.Println(err)
            return
        }
        defer f.Close()
        io.Copy(f, file)
    }
}

上のコードでは、ファイルのアップロードを処理するためにはr.ParseMultipartFormをコールする必要があります。引数にはmaxMemoryが表示されています。ParseMultipartFormをコールした後、アップロードするファイルはmaxMemoryのサイズのメモリに保存されます。もしファイルのサイズがmaxMemoryを超えた場合、残った部分はシステムのテンポラリファイルに保存されます。r.FormFileによって上のファイルハンドルを取得することができます。その後実例の中ではio.Copyを使ってファイルを保存しています。

その他のファイルではないフィールド情報を取得する時はr.ParseFormをコールする必要はありません。必要な時はGoが自動でコールします。またParseMultipartFormを一度コールすると、その後にもう一度コールしても効果はありません。

上の実例を通して、ファイルのアップロードには主に3ステップの処理があることが分かります:

  1. フォームにenctype="multipart/form-data"を追加する。
  2. サーバでr.ParseMultipartFormをコールし、アップロードするファイルをメモリとテンポラリファイルに保存する。
  3. r.FormFileを使用して、ファイルハンドルを取得し、ファイルに対して保存等の処理を行う。

ファイルhandlerはmultipart.FileHeaderです。この中には以下のような構造体が保存されています。

type FileHeader struct {
    Filename string
    Header   textproto.MIMEHeader
    // contains filtered or unexported fields
}

上のコード例では以下のようにファイルのアップロードを出力します。

図4.5 ファイルのアップロードを行った後サーバが受け取った情報の出力

クライアントによるファイルのアップロード

上の例でどのようにフォームからファイルをアップロードするのか示しました。その後サーバでファイルを処理しますが、Goは実はクライアントのフォームによるファイルのアップロードをエミュレートする機能をサポートしています。詳しい使用方法は以下の例をご覧ください:

package main

import (
    "bytes"
    "fmt"
    "io"
    "io/ioutil"
    "mime/multipart"
    "net/http"
    "os"
)

func postFile(filename string, targetUrl string) error {
    bodyBuf := &bytes.Buffer{}
    bodyWriter := multipart.NewWriter(bodyBuf)

    //キーとなる操作
    fileWriter, err := bodyWriter.CreateFormFile("uploadfile", filename)
    if err != nil {
        fmt.Println("error writing to buffer")
        return err
    }

    //ファイルハンドル操作をオープンする
    fh, err := os.Open(filename)
    if err != nil {
        fmt.Println("error opening file")
        return err
    }
    defer fh.Close()

    //iocopy
    _, err = io.Copy(fileWriter, fh)
    if err != nil {
        return err
    }

    contentType := bodyWriter.FormDataContentType()
    bodyWriter.Close()

    resp, err := http.Post(targetUrl, contentType, bodyBuf)
    if err != nil {
        return err
    }
    defer resp.Body.Close()
    resp_body, err := ioutil.ReadAll(resp.Body)
    if err != nil {
        return err
    }
    fmt.Println(resp.Status)
    fmt.Println(string(resp_body))
    return nil
}

// sample usage
func main() {
    target_url := "http://localhost:9090/upload"
    filename := "./astaxie.pdf"
    postFile(filename, target_url)
}

上の例ではクライアントが如何にサーバに対し一つのファイルをアップロードするのかご説明しました。クライアントはmultipart.Writeを通してファイルの本文をバッファの中に書き込みます。その後、httpのPostメソッドをコールしてバッファからサーバに転送します。

もしあなたが他にusernameといった普通のフィールドを同時に書き込む場合は、multipartのWriteFieldメソッドをコールして、その他の似たようなフィールドを複数書き込むことができます。

results matching ""

    No results matching ""